旅しようよ

近江八幡、北之庄菜の郷を訪ねて

収穫した北之庄菜 わたしの地元、滋賀県の伝統野菜の一つということもあり、以前から旬の食材百科に掲載したいと考えていた「北之庄菜」。 近江八幡市北之庄地区で作られているかぶらの一種だ。 今回、これを栽培されている大山氏にお願いし、畑を見せていただくことができた。

実は1月15日にお伺いする予定だったのだが、大雪に見舞われ、畑が一面厚い雪に埋もれてしまったため延期となっていたのだ。

大山氏とは近江兄弟社グランドのそばで待ち合わせし、そこから大山氏の車に乗せていただき畑へ。

北之庄は豊臣秀次が城を築いた八幡山のふもとから、びわ湖の内湖である西の湖にかけて広がる地域で、水郷めぐりでも知られている。

 

畑にはまだ雪が残っている。 北之庄菜の畑

 

現在北之庄菜は「北之庄郷の会」によって栽培から採種などの保護活動から加工・販売による地域振興が行われており、この畑は畝ごとに会員が分担して栽培しているとのこと。

時期的には収穫末期だそうだが、まだ沢山残っていた。 先日の大雪のせいで、葉柄が雪に押しつぶされ倒れている。 雪に埋もれていた北之庄菜   その中から大山氏が良さそうなものを選んで引っこ抜いていった。 葉柄の付け根、かぶが地面から顔を出している部分の太さ形から育ち具合を確かめるそうだ。

毎年9月上旬から下旬にかけて種をまき、11月頃から収穫ができるようになり2月までには収穫を終えるとのこと。

 

かつてはどこの家でも自分たちで漬物を漬ける風習があり、この北之庄菜も当地の漬物として親しまれてきたのだろう・・・。今ではご飯を食べること自体、昔よりも随分と減ってしまい、漬物は漬けるものから色々な味のものを買って食べる物へと変わってしまった。

 

「北之庄菜は少ししもぶくれの形をしているんです。」 と手にして話す大山氏と北之庄菜。 北之庄菜を手にする大山氏 足元には、形が悪かったり、傷があったりして売り物にならない物が沢山放置されていた。

 

大手種苗メーカーが販売している整った形の野菜とは違い、在来種は形が不ぞろいなものが多い。多少形が悪くても、少しくらい傷があっても味に違いはないのだが、消費者は綺麗なものしか買ってくれない。結局、売れなければ食べていけないので農家は在来種を捨て、栽培しやすく形が整ったF1品種に転換してきた。

現在、全国各地で伝統野菜や在来種の復活に向けた動きがみられるが、作っても採算が合うだけの付加価値をどう付けていけるかが問われている。

抜いたばかりの北之庄菜 収穫していただいた北之庄菜。 葉柄と首の紫色が美しい。 収穫した北之庄菜 今回、食材百科の撮影用に、この中から形がいいものを4株分けていただいた。

旬の食材百科 

北之庄菜 http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/Kitanosyouna.htm  

 

大山さん、お時間とお手間をおかけしありがとうございました。

 

大山氏を見送った後、北之庄沢の縁を少し歩いてみた。 この辺りは水郷めぐりでも知られるところで、とても風情がある。

 

夕日に照らされた北之庄沢 夕日に光る北之庄沢 とても趣のある散歩道だった。 北之庄沢沿いの道 北之庄沢沿いの道 北之庄沢沿いの道 今年はまだ雪が降りそうだな…。 さて、いただいた北之庄菜はどうやってたべようか・・・。

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